【書評】瀬尾まいこ著『そして、バトンは渡された』‐暖かくて優しい涙が溢れる
瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』
「2019年本屋大賞」を受賞したこの作品は、本屋さんに行った際に目にしたことはあるのではないでしょうか。
私は、この作品は1年以上前に読了したのですが、本日再読了しました。
1度目この作品を読んだ時、残りのページが少なくなるにつれて、
「終わらないでほしい。」「もっとこの作品の中に居たい」という気持ちと共に最後は涙が止まりませんでした。本を涙を流しながら読むことって、私は数えるくらいなのですが、この作品はお涙頂戴的なものではなく、本当に自然な暖かい涙が溢れました。
まずは、あらすじから、ネタバレなしで紹介していきます。
十七歳の森宮優子は、これまで名字が四度も変わっている。血の繋がらない親との間をリレーされるが、全く不幸ではない。この作品では、森宮さん(現在の父親)との生活や高校生活が主に描かれているが、それと同時並行で過去の優子の親とのエピソードを盛り込んである。優子の生い立ちと、森宮さんとの会話、これまでの親との生活を通して、暖かい気持ちになれる作品です。
☆おすすめの人
・優しい物語が好きな人
・家族を大切に思っている人
・現在、疲れている人
私は、瀬尾まいこさんが本当に好きで、瀬尾さんの作品は全て読了していますが、
この作品は、「ああ、やっぱり瀬尾さんは最高だ」と思わせてくれる読了感でした。
私がこの作品で一番の見どころだと思うのは、
森宮さんと優子の会話です。
とにかく二人の会話が面白すぎる。
森宮さんの少しずれた感性と優子の冷静な心の声が見事にはまっていて、何度も笑えました。
・始業式を娘の重要な行事に思いこみ、朝からカツ丼を作り、一時間仕事の休みをとる森宮さん。
・優子が友達と仲違いをしたと悩んでいる時に、餃子を大量に作る森宮さん。
二人が食卓を囲むときには、必ず色んな食事と共に、微笑ましい会話が入っていきます。この二人の会話が本当にクスっと笑えて、ずっとこの二人の会話を見たいと終盤にかけては切実に思います。
ラストも、ほっこりと感動するもので、読み終わった後、家族や大切な人に会いたくなります。
私は、優しい涙ってあるんだなあとこの作品を読んで初めて思いました。
後、この作品をすべて読んだら、一番最初のページに戻ってみてください。
私は、これでさらに号泣しました。
ぜひ、手に取ってみてください(^O^)/
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ついでに、瀬尾まいこさんで私が大好きな『幸福な食卓』もぜひ。
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